関宗貴先生 外務大臣表彰を受賞


 7月24日、平成30年度外務大臣表彰で淡交会横浜支部参与でもあり茶道裏千家淡交会北投協会顧問(名誉師範)として、関宗貴先生が外務大臣表彰を受賞されました。
 受賞事由は、台湾における日本文化の普及ということで活躍され、我が国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしているとの顕著な功績を称えられたことにより受賞されました。

 追記 : 関宗貴先生は、今年88歳の誕生日を迎えられますが、台湾には30代の    頃より月一回4日間に亘り茶道のご指導に渡航されていられます。






 北陸金沢研修旅行に参加して

平成30年6月12日・13日
場 所: 石川県金沢市
    〇一日目 宮﨑寒雉釜、玉泉院丸庭園・金沢城公園、
         月心寺(本堂・茶室、仙叟宗室墓参)
    〇二日目 大樋美術館、村田百川工房(漆器蒔絵体験)


 どんよりした雲間より時折陽が差し、又霧雨が。
 その様な天気の中、6月12日。寒雉工房に伺い、御本人様より「お釜にはそれはそれは薄く漆が塗られており、こすったりしてはだめです。」又「大事に扱えば数百年も保ちますよ。」と見学した折にお話を伺いました。
 昼食後、仙叟宗室様のお墓があります「月心寺」に向かいお寺の門を潜り、雨で洗われた飛び石を伝い、まるでお茶事に向かう心境で、そこは清らかな空間でしてお墓を管理されていらっしゃる方々のお気持ちそのままの清々しい心地。入口の辞世の句碑には、「虚空めが虚空に乗りて 出でたてば いまつきかえす明方の鐘」と刻まれており、又お茶室「直心庵」の扁額は、淡々斎のお筆。洞床、四畳台目、逆勝手、貴人口のみ竹の中柱は美しく輝き玄々斎の赤筆で「直なるを心に立つる中柱 なかなか規距は節にこもれり」。
 様々な体験をさせて下さり感謝申し上げます。 

文:濱口 宗津

 6月12日~13日の二日間に渡る研修旅行に参加致しました。初めは寒雉釜工房見学でした。私達は金沢に着いてすぐの訪問先であり、また、去年講演会に横浜に来てくださったという御縁もあり、皆活発に先生に質問をなさっていました。床には、焼き飯釜等歴代の釜が荘られており、間近で拝見させて頂きました。工房見学、呈茶も美味しく頂き、充実した時間を過ごすことが出来ました。その後、金沢城公園散策、月心寺にて墓参り、茶室を見学してこの日を終えました。
 2日目は、村田百川工房にて漆器蒔絵体験をしました。初めに考えた図案を紙に書き、それを鉛筆で盆に写します。その上から色のついた漆をなぞります。楓をなぞる方もいました。先生から一人一人にアドバイスを頂き仕上げました。後は、乾くのを待つだけで出来上がりが楽しみです。その後、大樋美術館を見学し金沢を後にしました。
 今回の旅でおもてなしの心と伝統を大切にする金沢の方々に感銘を受け、また訪れてみたくなりました。有意義な二日間を過ごさせて頂き、この旅の各関係者の方々に感謝し、御礼申し上げます。 
文:早川 宗薫






 「ふじのくに茶の都ミュージアム」見学

開催日:平成30年6月17日(日)
場 所:・グリンピア牧之原(静岡県牧之原市)
    ・ふじのくに茶の都ミュージアム(静岡県島田市)
    ・蓬莱橋(静岡県島田市)


 社中の「茶葉を見たことがない」という一言から、偶然にも静岡県菊川市の茶葉農家とのご縁で、この度日帰り旅行に出ることになった。
 その茶葉農家から「ふじのくに茶の都ミュージアム」が、3月24日にリニューアルオープンしたと新聞の切り抜きをいただいた。そこから話はとんとん拍子で進み、6月17日(日)に茶摘みもかねてミュージアム見学に行くことに。
 広い静岡県の事で、どういう時間配分で回れるか下見にも行った。急な募集にもかかわらず同行者は、4つの社中とその友人で計20名の団体となった。
 当日は天気が心配されたが、梅雨の晴れ間で昨日の雨が上がり曇り。途中で休憩の後、茶摘会場となる「グリンピア牧之原」に11時過ぎに到着。法被を着せてもらって茶摘み籠を持ち、一列になり一面の茶畑で茶葉を摘み始めた。1番茶はすでに連休前に摘まれていて、2番茶だそうだ。大きな籠にはなかなか茶葉が溜まらない。腰が痛くなり始めた頃に終了。籠の中身は多い人少ない人それぞれ。それでも満足して、昼食会場も兼ねた「ふじのくに茶の都ミュージアム」に向かった。昼食は、お茶尽くしの料理である。マイルドな味付けで。
 次に、今回の旅行のメインである茶室と日本庭園見学に向かった。この茶室は、小堀遠州が手掛けた石清水八幡宮の滝本坊と伏見奉行屋敷の一部を、残されていた絵図面から復元したものである。まずは、鎖の間「臨水亭(りんすいてい)」「縦目楼(しょうもくろう)」で裏千家静岡支部の点前で抹茶を頂いた。地区大会とのことで、静岡支部の幹事長との連絡が行き違いになったが、翌日にご連絡をいただき点前をしていただいたことや小間に入れていただいたことを御礼申し上げた。抹茶は、静岡県の丸七製茶「新舟の風」で、主茶碗は、森山焼の赤。綺麗な赤だった。数茶碗も森山焼だが、こちらは落ち着いた釉薬がかかった茶碗だった。お菓子は、四葩で龍月堂製。すべて静岡県のもので構成されていた。そのあと音声ガイドをお借りして小間数寄屋「友賢庵」の見学をする。窓が11あるという。欄間や柱などの装飾は綺麗さびで美しい。鎖の間の正面には富士山が見えると言うが、リニューアルオープンしてから一度も富士山は姿を現していないとか。池に浮かぶ茶屋「向峯居」は、広々として富士山が見えれば気持ちの良いことだろう。天気もよいので、日本庭園を散策する。この庭園は、退位後の後水尾天皇の院御所である仙洞御所の東庭を、遠州が作事奉行として池泉回遊式・舟遊式で作庭したものであった。庭から池に浮かぶ「向峯庵」を見れば、その下には舟着き場もあった。
 後ろ髪を引かれながらもミュージアムを後にして、最後の見学地の蓬莱橋に向かった。木の橋の歩道橋としては世界一の長さで、ギネス認定の橋である。維新後の生活をする為に武士が中心となり、牧之原を開墾して茶畑を作り茶葉の輸出を成功させた。その開墾者たちの出資金で、農業用の橋として誕生したそうである。897,4mの長い橋で、欄干も低い。今はLEDライトで夕方からは照明されているという。同行の方が速足で向こう岸まで歩いていき、証明の印をもらってきた。大体の方々は、橋の中央に「ど真ん中」と書いた地点で引き返していた。
 この後は、車中から頂上の雲を払った富士山の姿を拝見し、途中に休憩の後、日曜名物東名渋滞を抜けて予定よりは遅くなったものの無事に横浜駅前に帰ってきた。
 天気が良かったことが何より、目にも口にも、そして膝にも優しい旅となった。

写真・文 西田 宗美







 成田山開基1080年祭記念大開帳献茶式・茶会
 (主催:大本山成田山新勝寺、一般社団法人茶道裏千家淡交会千葉県支部)

開催日:平成30年5月22日(火)
場 所:成田山新勝寺


 成田山新勝寺開基1080年祭、10年に一度のご開帳の中、坐忘斎お家元ご奉仕の記念献茶式に参加致しました。
 献茶式参加者は、横浜支部はじめ総勢43名。早朝バスで横浜から成田へ、10時過ぎに到着。受付を済ませると、私達は幹事長はじめ招待の方々と別行動に。
献茶式の大本堂、茶席の光輪閣には参加者の長い長い列が。献茶整理券配布は終了していましたが、千葉県支部のご好意で参列出来ることになり、役員の方々に感謝申し上げます。まずは、空いている点心席へ。成田の有名料理店の弁当を味わう暇なく、大急ぎで大本堂へ向かいます。満杯の大本堂は、正午過ぎご貫主着座、お家元ご一行が入場。静寂の中、お家元が濃茶と薄茶を点てられました。幸運にも、お点前を身近に拝見出来て感動でした。式後、早々に大本堂を後にし、境内を横切り、光輪閣の階段を足早に登り、濃茶受付に。20分程で待合に案内され、そこで幹事長方と合流し、主菓子「薫風」(黄身餡の練り切り)をいただきました。待合床には、大きい双幅の雪舟の山水画。藤四郎の茶入、紹鷗の茶杓、光悦の茶盌と素晴らしい道具の数々が。本席の床には、一休さん「萬里目前境」、唐物花入に沙羅双樹が入っていて私達を迎えてくれました。点前道具は、古芦屋釜。古赤絵水指の長板二つ置き、大津袋によるお点前です。初めていただいた御茶の「秀峯の昔」は、大変美味しかった。再び階段を登って薄茶席へ。待合には、片岡球子「富士」。辻石斎の大棗と出雲伊羅保茶盌「壺中」。特に茶杓「麗」はお家元61歳の折の銘で、「寒雲庵主」との箱書きは、初めて拝見しました。本席は、点茶盤。床は、鵬雲斎大宗匠の「歩々清風行処穏」。認得斎好みの弦付籠、玄々斎在判の独楽香合です。数茶碗は、千葉の「菜の花」「海」を黄色と青の縞模様で表現したものでした。知人の千葉県支部役員で陶芸家の石橋則夫氏の作品でした。
 集合時間まで、境内を散策。大塔婆お手綱拝掌と重文お堂巡りでお不動様とのご縁を深めました。土産の買い忘れは残念でしたが、予定より早く5時過ぎに横浜に到着。三々五々帰宅となりました。翌日は筋肉痛で、成田山の階段が素晴らしい献茶式、茶会とともに記憶に残るものとなりました。

写真・文 中山宗敏


        

        








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