学校茶道エッセイ 第一席入賞

おめでとうございます。
この度、横浜市立高田中学3年の井上理菜さんが「学校茶道体験エッセイ」に応募し第一席に入賞されました。
 ・ 応募者388名(指導者:渡辺清子先生)
入賞されたエッセイをご紹介いたします。

横浜市立高田中学校3年 井上 理菜

 茶道から、どんなイメージを持つでしょう。例えば、正座が大変、お抹茶が苦い、
作法が面倒などではないでしょうか。確かに大変なこともありますが、考えつくされ
た動作の一つ一つに相手への気遣い、「おもてなしの心」を感じることが出来ます。
実は先日、顧問の先生が研修会に行かれたそうです。そこで、「茶の文化とは、亭主
の心でもてなす文化。つまりおもてなしの文化である。」というお話を聞かれたそう
です。つまり、亭主はお客様により楽しんでいただく為に、お茶碗、お花、掛軸選び
など細かなことにまで気を配っています。したがって、おもてなしを受ける側も相手
の気持ちを汲み取って、真剣に参加しなければならないと思いました。
 私は茶道部に入っています。私はお茶を出したりすることを楽しんでいます。私は
ここでコミュニケーションの大切さを学ぶことが出来ました。それにはいくつかの理
由があります。
 入学当初、私は消極的であまり人に話しかけることが出来ませんでした。元々、人
見知りなところがあり、友達や家族からも積極的にと言われていましたが、なかなか
変わることが出来ずにいました。一方、友達は社交的で、誰とでも話すことが出来、
共通点など見当たらず、友達にはなれない人でした。しかし、茶道という架け橋を得
て、私達はお互いを少しずつ意識するようになりました。そして茶道をきっかけに徐
々に話すようになりました。話してみると、好きな本や映画の話などでうまがあい、
部活でもお点前を教え合うなどしていくうちに友達になりました。最初は友達になれ
ない、と思っていたのが、茶道を通して友達になれました。今、彼女はとても大切な
友達です。彼女はいつも私を励まして優しく背中を押してくれます。彼女のおかげで
私は人見知りも直り、部活では部長になるなど少しずつ積極的な行動が出来るように
なりました。しかし、もし茶道と出会わなければ、きっと彼女とは出会わないまま、
私は何も変われないままだったと思います。なので茶道に出会えて本当に良かったと
思います。
 二つ目に、茶道部では年に数回、地域ケアプラザでお茶会を開いています。高齢者
の方を中心に、様々な人々との出会いがあり、今まで話したことのない人々とも輪が
広がる、とても貴重な機会です。昨年のお茶会では、毎年私達のお茶会を楽しみにし
ているという方とお話しすることが出来ました。お茶会終了後、その方は私に「とて
も立派でしたよ。」と温かい言葉をかけてくださり、とても嬉しい気持ちになりまし
た。また数日後、他の方からも多くの温かいお手紙をいただきました。その手紙には、私達のお点前をきっかけに、茶道をはじめたということも書いてありました。実のところ、私は丸卓平点前の中で柄杓を落としてしまうという、大きな失敗をしてしまいどうしようと思っていたので、本当に嬉しかったです。失敗してしまったけれどおもてなしの心が通じたのだと思いました。
 この二つの事から、私はコミュニケーションの大切さを学ぶことが出来ました。
 では、コミュニケーションとは何なのでしょうか。辞書には「お互いの考えを伝え
あうこと。」とあります。しかし、私は思います。ただ伝えるだけでいいのかと。私
はコミュニケーションとは、人と人とがお互いに仲良くする為に、相手の事をもっと
知ろうとする事ではないかと思います。人は皆、完璧ではないので。人と関わり合っ
て、泣いたり、笑ったりしながら、一生をかけて自分をつくっていくのではないかと。私は茶道を通してこのことを学びました。勿論、茶道以外でも学べることがあります。日常生活もそうではないでしょうか。日々の中で友達と遊んだり、授業を受けたり、そんな何気ないことが自分を成長させていると思うと、何だか嬉しくなってしまいます。テストや他にも色々、嫌なこともありますが、自分の為と信じて頑張りたいと思います。そして私は、私が学んだことを伝えていきたいと思います。それゆえ、茶道に良いイメージを持っていない人にも、その良さを分かってもらえるように呼びかけていきたいです。
 落ち込んだ時、悲しい時、その一服で少しでも幸せを感じられたれ、それは意味の
あることではないでしょうか。きっとその一服には、作り手の思いが込められている
から。
 そして今日も、「お薄を一服差し上げます。」と言葉を発して、お稽古に励みたい
と思っています。


 

 三渓園 春季茶会 感想文

場 所:三渓園
日 時:4月27日(日)

<私立高木学園女子高等学校> 大坪 咲
 今回7名の部員全員で学校茶道席に参加させて頂きありがとうございました。振り
返ると、大変な事が沢山ありました。昨年は茶碗作りに行き、新学期が始まるとすぐ
に特訓をしました。
 当日は、三渓園の素晴らしい景観と会場の空気が張り詰めていることに驚きました。この様な場所で点前をさせて頂くことに緊張と不安を覚えました。
 最初は、水屋の当番でした。「素早く、丁寧に点てる。抹茶が下に溜らないように
しっかりと、おいしく」と、心を込めて点てました。
 次に、亭主の番がやってきました。いつもの稽古道具と違って、立派な物、古い物
ばかりで手が震えてしまいました。また、お客様が真剣な眼差しで点前を見て下さっ
たのでとても緊張して、1回だけ失敗してしまったのが悔しいです。失敗してみて、
日頃の稽古の大切さに気付き、プラスに活かそうと思いました。半東は、ちょうど良
い声音で、聞き取り易く話せて良かったと思います。また、運びもスムーズに笑顔で
手渡しができ、全員で協力して無事終えた時はとても嬉しかったです。
 長いようで短かった1日でした。とても疲れましたが、色々な体験ができました。
これからの活動に活かしていきたいと思っています。

<県立希望ケ丘高等学校> 阿部 涼
 お茶会と言うものに参加するのは今回で2回目となりますが、お点前をお客様の前
で披露させて頂いたのは今回が初めてということになります。茶道部へと入部し、茶
道を学び3年目となりましたが、いざお客様の前でお点前となると、やはり緊張してしまい、頭が真っ白になって、次に何をするのかという事を忘れてしまいましたが、体が覚えていたようで、多少の間違いはありましたが一通りのお点前はできました。茶道の先生からは、「少しの間違いは気にせず、一通り終わらせる事が重要だから。」なんて事を言われて、それがまたプレッシャーへと変わり、緊張を揺るがされるような思いでした。
 そもそも、私が茶道を始める切っ掛けとなったのは、ほんの少しの好奇心でした。
高校1年生の時には、他に部員がいなくて、2年生の時部員が入ってくるまでは、茶
道の個別授業というような、他では味わえないような経験が出来たので良かったと思
っています。
 しかし、練習は週に1回、と、とても少ないので、なかなか上手くならないなと、
少し感じることもありました。私が通っていた中学校には、茶道を教えてくれる先生
が見つからず、茶道部がありませんでした。もし、茶道部があったとしたら、もう少
し早く茶道に出会っていたような気がします。でも、今回お茶会に参加する事で、ま
た1つ茶道の深みを知りました。他学校の生徒とも交流する事もできました。今後ま
たお茶会に参加するような事があるかどうかはわかりませんが、今回のお点前は、お
客様からすれば、まだまだだと思われていると思いますが、自分なりには楽しく、精
一杯できたので、悔いはないです。
 最後に、やはり男性で茶道を学びたいと思っている学生が減っているという事が、
少し残念です。もう少し増えて欲しいです。

<県立横浜平沼高等学校> 2年 矢野 信一
 僕にとって三渓園に行くことも、お茶会をすることも初めてのことでした。三渓園
に入った時、横浜にもこんな風情ある庭園が存在するのかと感動しました。
 1席目の時に客として席に入って、お菓子とお抹茶を頂きました。お菓子は色とり
どりできれいで、お抹茶もきれいにたっていてとても美味しかったです。
 その後に僕は水屋で抹茶を30碗位点てると分かった時、たくさんお客さんがいる
のだなと、驚きながら抹茶を点てました。お運びでは、お菓子を運んだり、お抹茶を
1人ずつ運んだりと、とても忙しかったですが、お茶碗を下げる時にお客さんから、
とてもおいしかったよと、言われた時、忙しくて大変な事など忘れてしまうぐらいに
嬉しく思いました。
 今回このようなお茶会に参加してみて、文化祭でするようなものと違って、お客さ
んが大人の人が多くてなかには先生のような人もいて、失敗しないかなと思いながら、すごく緊張しました。このような経験ができてとても嬉しく、茶道がもっと好きになりました。またこのような機会があったら参加してみたいです。

<県立横浜平沼高等学校> 2年 板垣 皓子
 私が茶道を始めたのは高校生になってからです。なので今回の三渓園のお茶会が学
校の外で行う初めてのお茶会でした。
 先生から今回のお茶会のお話は伺っていましたが、具体的なイメージが出来ずに本
番を迎え、規模の大きさに驚いてしまいました。
 学校の文化祭では、同じ部活動の先輩や友達と共に家族やクラスメートなど見知っ
たお客様を御持て成ししていましたが、今回のお茶会では他の学校の生徒さんや先生
方と共にたくさんの初めてのお客様を御持て成ししました。そして今回、私は半東だ
ったのですが、私が出席するお茶会ということで祖母と叔母がわざわざ山形から来て
くれていました。とにかく私は失敗してはいけないと思い緊張していました。
 しかし、お客様のお茶碗を下げる時、「おいしいお茶でした。ありがとう。」と、
お客様に言われ、とても嬉しいと感じました。また、大切なのは失敗せずにできるか
どうかではなく、如何に自分の精一杯の力でお客様を御持て成しできるかということ
だと思いました。
 お客様はすべてで300人程いらっしゃり、とても疲れましたが、疲れた分だけお
客様から嬉しさを頂き、学ばせて頂けたと思います。
 今回私が嬉しさを頂き、学ばせて頂いたように、これからは私がお客様に何か差し
上げられるように、日々稽古に励みたいと思います。

<県立横浜平沼高等学校> 3年 成田 柚
 私が三渓園に行ったのは、今回が2度目でした。1度目は中学2年生の2月、学校
の部活動としてお茶会をさせて頂きました。そして今回、約3年ぶりに再び三渓園で
お茶会を開かせて頂けるということで、何か月も前から楽しみにしていました。
 今回、フェリス女学院大学と高木学園女子高等学校の方々と合同のお茶会というこ
とで、色々な準備をしていく中、1番楽しかったことが、茶碗作りです。初めての体
験でしたが、お茶を点てる時のことも考えながら形を作る事で、別の面から茶道を見
ることが出来ました。また、今回の茶会のテーマが「源氏物語」ということで、源氏
香についても少し学べました。ちょうど古典の授業でも源治を読んだところだったの
で、楽しかったです。
 当日私は、お点前をさせて頂き、多少の失敗はあったものの、お茶や茶碗について
お誉めの言葉を頂くことが出来ましたし、満足な結果です。
 中学1年から部活動としてお茶を始めてから6年目、このお茶会で3年生の私達は
引退です。しばらくはお茶をすることが出来ませんが、その前にこのような茶会を経
験できたことは幸運なことだと思います。この茶会に関わって下さった方々、先生方、フェリス、高木の茶道部の皆さん、そして2年間一緒に稽古をしてきた平高茶道部の皆、本当にありがとうございました。

<県立横浜平沼高等学校> 3年 兵頭 郁美
 私は、今回このお茶会に参加できて本当に良かったです。なぜなら、学校内だけの
部活では分らなかったことを沢山経験できたからです。まず、文化祭の時とは一味も
二味も違う、お点前をする緊張感。沢山の人たちが1つのお茶会を成功させるために
協力しあう心。そして、様々な年代の方々との触れ合い。本当に色々な年代の方が茶
道に関係していることを改めて目の当たりにして、私は驚きと共になぜだか感動して
しまいました。たった1回の、しかもあの空間だけで私達のような高校生からご年配
の方まで、皆が同じ共通点を持っているのは、すごいことだと思います。
 お茶会を通して、私が触れ合った方達は皆、落ち着きがあるというか、柔らかいと
いうか、とても雰囲気の素敵な方ばかりでした。やはり、茶道を通してそういった心
や気持ちが身につけられるのかしら?と、思いました。
 とにかく、今回のお茶会に参加したという経験は、私に茶道の“よさ”を改めて気付かせてくれました。日本の文化って、やはり素敵です。茶道に触れ合うことができて、本当によかったです。今は、またお茶会に参加してみたい思いでいっぱいです。

<県立横浜平沼高等学校> 3年 細谷 友希恵
 今日、4月27日は三渓園でのお茶会でした。そして私達3年生にとっては高校生
活で最後の部活でした。たった2年間しかない部活動でしたが、私は茶道を通して、
多くの面で成長し、多くの事を学べたと思います。
 私が茶道で大切だと思ったのは、お客さんに満足してもらえる御持て成しをするこ
とだと思います。お点前では、茶筅通しにおいても、手の添え方や角度、位置が少し
違うだけでも見え方はとても変わります。半東や運びでは、お茶やお菓子を出したり
下げたりするタイミングなど、周りを見て1人1人のお客さんに合った対応が必要で
す。しかし、これだけでは最高の御持て成しをしたことにはなりません。季節やテー
マに合わせたお花やお道具もまた、お茶席を盛り上げる大切な御持て成しの1つです。今日は、これらのことを一番実感した日でもありました。そして茶道を1番楽しむ
ことができました。
 多くの方が自分達が作ったお茶碗を誉めて下さったり、笑顔で楽しまれていたのが
すごく嬉しかったです。私達の御持て成しは決して完璧ではなかったと思いますが、
きっと楽しんでもらえるよう最高の御持て成しをしようと思う姿勢や気持ちは伝わっ
たと思います。
 普段の生活では、四季を感じたり1つのことだけを考えて行動したりすることは少
ないと思います。季節ごとに異なる風景や香り、慌てずに何かにまっすぐに取り組む
強い精神、人を尊敬したり物を大切にする心を茶道は私に教えてくれたのだと思いま
した。

<県立横浜平沼高等学校> 3年 今江 由佳
 私が茶道を始めたのは、高校1年生の時です。茶道部に入部して、本格的に稽古に
取り組み始めました。最初はお菓子の頂き方もわからず、全てが知らないことだらけ
で、覚えるのが大変でしたが、だんだんと慣れてきて、1人でお点前が出来るように
なったり、文化祭でお客様を前にしてお点前を披露出来るようになりました。
 そして、この三渓園でのお茶会の日を迎えました。私は東を務めることになりまし
た。普段のお点前の練習の時、私はよく間違えてしまっていて、とても不安でした。
ですが、こんな貴重な体験をすることはもうないかもしれないと思い、一生懸命頑張
りました。お点前の最初の頃、私は緊張してしまい、手が震えてしまいました。頭の
中が真っ白になってしまいそうでした。ですが、だんだんと落ち着いてきて、1回も
間違えることなく、自分でも満足できるお点前をする事が出来ました。私はとっても
嬉しかったし、とても達成感がありました。茶道部に入ってよかったと思いました。
 高校の部活でお茶をすることはもうできませんが、私はこれからもお茶を続けてい
きたいです。そして、こんな貴重な体験をさせてくださった先生方や部員のみんなに
とっても感謝しています。本当にありがとうございました。

<県立横浜平沼高等学校> 3年 福村 花
 「今年は三渓園のお茶会にでますからね。」
  先生がそうおっしゃったとき、私は、高校2年間の部活の集大成として、是非お点前をして引退したいと思いました。中学校でバスケ部だった頃は、一生縁がないと思っていた茶道。高校での部活動として選んでからは、その奥深さと美しさに興味を持ち、人一倍稽古に励んできました。作法、礼儀、思いやりの気持ち、持て成しの心…。月3回の稽古で、あるいは、チャンネルを回す手を止めて見入ったテレビ番組やふと目に留った本屋の本から、たくさん「茶道」について学びました。だから私はお茶会で今まで頑張った成果の発揮と、ご指導いただいた先生への感謝の気持ちとして、何としても「東」をやりたかったのです。
 しかし、本番での私の役目は「半東」でした。決まった時は、本当に落ち込みまし
た。「あんなに頑張ったのに最後が半東?」
 今その時を振り返ると、とても自分が恥ずかしくなります。私は一体何を先生から
教わってきたのだろうか?と。お茶会は、東だけで成り立つことは決してなく、半東
や水屋、その他支えて下さる方がたくさんいらっしゃって初めてお客様を持て成すこ
とができます。十分承知していたつもりが、私はお茶会のための半東の練習で、まわ
りをゆっくりと見回し、気配りを大切にしたあの瞬間にやっと、「半東が気を利かせ
てくれるから東は安心してお点前ができるのか。半東は水屋がいてくれるから、東の
隣にいられるのか。」と気づいたのです。どの役割が1番、2番、と考えていた私は
全く愚かで、先生の教えをやっと、理解したのでした。
 表で活躍する人がいれば、裏で働く人が必ずいる。「表裏一体」の真の意味とはこ
のことでしょうか。茶道を通じて学んだ様々な「心」を、一生忘れずに歩んでいきた
いです。

 <私立フェリス女学院大学> 音楽学部演奏学科4年 立道 桜子
 今回のお茶会は学園祭の時とはまた全く違った緊張感があり、大変貴重な経験をさ
せて頂きました。いらっしゃるお客様もお茶をなさっている方がほとんどのようで、
お茶に関するいろいろなご質問を受けたりもしました。
 また、今回のお茶会で私の一番大きなお役目は、第5席目の半東でした。ご挨拶・
学校紹介等はお客様のお顔を拝見しながら丁寧に心を込めてを心がけておりました。
御来賓の方に学校に関するご質問を受けたりと、緊張感の中にも和やかな雰囲気のあ
る大変良いお茶席だったと思います。
 またお運びでは、お客様へお茶をお出しする時、お下げする時に丁寧さを心がけた
あまり機敏さに欠けてしまった点が多々あったことを反省しております。
 今回良かったと思う点は次へ繋げ、反省すべき点は改善し、次に活かせたらと思い
ます。
 当日の朝まで心配していたお天気にも恵まれ、ちょうど藤の花が美しい三渓園のお
茶室という素晴らしい環境でお茶会に参加させて頂く事ができたことを嬉しく思い、
そして深く感謝しております。ありがとうございました。
                     
 <私立フェリス女学院大学> 日本文学科 2年  設楽 祥穂
 大学祭などとは、いらっしゃるお客様がまったく異なって、それもたくさんの人数
であったため、緊張感も雰囲気も普段とは非常に別物であった。具体的にどのような
方々がいらっしゃるのかを想像していなかったが、訪れる方々が立派な装いだったた
めに、よりプレッシャーを感じてしまったように思う。その中、誰かから・周りから
見られているという意識が低かったかもしれないと、自分の行動を反省する点がいく
つかあった。歩き方や身なりもそうであるし、動き方も細かなところまで注意しなけ
ればいけない点であると改めて思った。
 又、1つ1つの行動をすばやくするために、常に気を張っていなければいけないと
も感じた。機転を利かせるには、集中力を切らさないことが大切なことであると思い
知った。
 お点前に関しては、基礎・基本となる部分ー袱紗さばきや茶筅とおし、柄杓の扱い
などーをもう一度きっちり見直し、稽古しなければと強く思った。「どうしてこんな
カチカチなのだろう。もっと丁寧で、しなやかにできるようにしたい」、お点前の最
中・後になってとても不甲斐無い思いが込み上げてきた。
 そして、手順を完璧にすることも大事なことであるが、もっと重みを感じられるよ
うなお点前ができるよう心掛けたいと、今回のお茶会を通して気づき、考え、自分の
お点前と向き合う事ができたすばらしい機会となった。
 その場を与ええ下さった、桐村先生をはじめ、多くの方々に感謝の気持ちでいっぱ
いです。 

 <私立フェリス女学院大学> 茶道部2年 畑中 紫甫
 私は学園祭以外のお茶会に参加するのは初めてだったので、とても緊張しました。
やはり、日頃から茶道のお稽古をしていらっしゃる方々が沢山いらっしゃる中で、お
運びや半東をするのは大変でした。緊張しすぎて手が震えたほどです。しかし、先生
方がとても優しく丁寧に指導してくださったので、なんとか最後までやり遂げること
ができました。また、お茶やお菓子を運んだ時にお客様が温かい言葉をかけてくださ
り、とても嬉しかったです。
 今回のお茶会を経て思ったことは、茶道は本当に奥が深くて難しいということです。茶道はただお茶を点てるだけではなくて、御持て成しの心・立ち居振る舞いの美しさ・お茶碗やお道具に関する豊富な知識等が必要なのだと改めて感じました。
 今回学んだことを活かし、さらにお稽古に励みたいと思います。
                           
 <私立フェリス女学院大学> 西川 未由生
 今回、学校茶道の茶会に参加することができ、非常に勉強になったのと同時に、改
めてお茶の魅力を実感することができ、とてもいい経験となりました。
 今回のお茶会では私達が作った、数茶碗を使わせて頂いて、一生懸命作ったお茶碗
だったので、多くの方々に喜んでいただくことができて、本当にうれしかったです。
源氏物語に因んで、底の方に源氏香の模様を入れたのですが、ひとりひとり異なる模
様を入れたので、違いを楽しんで頂けたのではないかと思います。
 さて、今までお茶会には、大学祭での催し物として参加したり、お点前をさせて頂
いたことはあったのですが、今回の様に大勢のお客様の前でお点前をさせて頂いたの
は初めてだったので、非常に緊張しました。そのせいもあってか、お点前の最中、頭
が真っ白になってしまったり、至らない点が多くご迷惑をかけてしまうこともあった
のですが、この経験により、私自身成長できたのではないかと思っています。
 茶道には、その場で臨機応変に対応できる「応用力」が必要であると思います。そ
して、この応用力を身につけるためには、「知識」と「経験」が必要だと考えていま
す。今回私自身の知識不足を痛感致しましたが、今まで以上に稽古に励み、貪欲なま
でに経験を積んでいこうという新たな目標を持つことができました。
 そして何よりも、「人に喜んでもらうことの喜び」というものを、再認識できたと
思います。やはり茶道はお客様を「おもてなし」することが大前提にあると思います。来て頂いた人に楽しんでもらうために、道具からお菓子、お茶を季節や気候に因んで用意し、御茶を点てるという一連の作業を私も出来るようになりたいと思いました。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

 <私立フェリス女学院大学> 国際交流学科2年 西村 みほろ
 お茶会が始まる前から終わった後まで、私にとって初めて経験することがたくさん
ありました。七五三以来の着付け、長時間の着物姿、そしてお茶会、と右も左もわか
らぬままに行きました。
 当日は4時半起床、5時台の電車に乗り、横浜で着付けをしてもらいました。毎年
夏には浴衣を着ていたけれども、着物は布地や重さなどが浴衣とは全く異なっていて、着崩れないか、足袋は汚れていないかなどと緊張しました。三渓園に着いて、お庭の広さに驚きました。同時に今回のお茶会の重大さを感じました。半東やお運びなど、学校で練習はしたものの、毎回ご注意いただいたので、失敗しないかとそれだけが気がかりでした。私の1回目の出番は「お運び」でした。緊張しすぎてお菓子の数の計算ができず中途半端な所に置いてしまった上、お客様への礼をわすれしまいました。そして最も心配していた半東の時にも、替茶碗を出すタイミングを間違えてしまいました。私は自分の身なり、作法に集中しすぎてお客様を持て成すをいうことを怠っていました。そんな中、お客様に源氏や御菓子のお話、天気や季節の移り変わり、鳥のさえずる声などのお話を頂いた時、とても感動しました。今までお茶のお菓子に意味を考えなかったし、鳥のさえずりに耳を傾けたこともなかったからです。「お茶をたてる」「お茶をいただく」その動作の中には「御先にいただきます」「おしまいにさせていただきます」と相手に思いやりを持ち、お互いに気持よく一時を過ごすという意味があるのだと思いました。私も作法を覚え、もっと広い視野や心を持つようになりたいです。
 何も分かっていない私を半東・お運び・水屋とまかせて下さってありがとうござい
ました。貴重な時間を過ごすことが出来ました。

<私立フェリス女学院大学> 金子 沙織
 今回のお茶会を催して下さりました裏千家学校茶道の茶道教授の方々を始め、多く
の茶道関係者と共に、三渓園においてお茶会に参加出来ましたことを嬉しく思います。また、天候の優れない中、多くのお客様に白雲邸にお越し頂いたことを嬉しく思います。
 現在の学校茶道のように茶道が教育の中に広まるようになったことは、第11代家
元玄々斎宗匠が明治の初め文明開化の中で、日本の伝統や文化の保守のために茶道を
女学校に解放されたことに端を発しています。以後、歴々の宗匠により、社会の広範
にわたり茶道が親しまれることを目指し、普及に努められました。
 今日では、多くの学生・生徒が学校茶道を通じて、深い歴史と精神の蓄積が成され
た伝統に触れる機会を得ています。お稽古の中では私達は他者への思いやりの大切さ
を学ぶことができます。且つ、お点前や所作の型からは合理性の美を感じることがで
きます。
 今回のお茶会のように、実際にお客様の前に出させて頂いてのおもてなしをする事
が出来たことは、大きな刺激になりました。多くの方々の御蔭により、ひとつの茶席
が成り立つことを感じられましたので有り難く思います。       

<私立フェリス女学院大学> 国際交流学部 国際交流学科2年 日高 瑛梨
 この度は、私達に良い経験の場を与えて下さってありがとうございました。私は人
様の前でお点前をするのは今回が2度目でした。さらに今回は、お茶に関わっている
方々がお客様としていらっしゃるということでとても緊張していました。ですが三渓
園という素晴らしい舞台で、お点前を披露できるということで胸が高鳴りました。
 当日は美容院に予約して、着物を着付けてもらいました。こんな機会でもないと、
着物を着ることはないのでとても嬉しく思いました。ですが、当日は雨が降り出しそ
うな天気で、少し肌寒かったです。三渓園に入るのは今回が初めてで、どんな所だろ
うかと楽しみにしていました。三渓園はここが神奈川県であることを忘れさせるよう
な、平成の時代であることを忘れさせるようなそんな素晴らしい場所でした。あと一
か月早ければ、桜が満開だったのだろうなと少し残念に思いました。
 今回は白雲邸をお借りしてのお茶会と言うことでしたが、趣があって居心地の良い
ところでした。待合室に入ると、学生服を着た高校生がいてとても新鮮でした。ほん
の少し休憩するとすぐにお点前が始りました。廊下に出ると、お客様がずらりと列に
なって並んでいらっしゃるのを見てとても驚きました。また1回お点前で入るお客様
の数も20〜30名様と大人数ということでさらに緊張しました。まずは、お運びで
したが、何を胸にしまっておくのか、古袱紗の使い方などを直前になって先生に教え
て頂いたりと始まりからドタバタでした。さらにお菓子をお渡しするお客様を間違え
てしまい、先生に注意され落ち込みました。大人数ですからお茶を運ぶのに何往復も
かかり、休む暇なく今度はお茶碗を下げるという目の回るような仕事でした。ですが、回を重ねるたびに少し余裕ができて、後半はお客様の挨拶に笑顔で答えられるようになりました。そして、私は、8席目の亭主を務めました。私は大勢の前に出ると、声が震えて手が震えてというほどとても緊張する体質で、席に座ったとたん頭の中が真っ白になってしまいました。部屋の中がしんと静まり返って、空気が貼り詰まっており、耐えられないと思いました。お棗をとる手が震え、袱紗がうまく捌けず、お茶碗を手前に引いたかどうかも覚えていません。しかし、半東の挨拶でお客様の視線がずれて少し緊張がほぐれ、その後は失敗もなく無事に終わりました。終わった瞬間はほっと気が抜けて、疲れがどっとでました。大きな失敗はなかったものの、とても見せられるようなお点前ではなかったので、今思い返してもとても恥ずかしく思います。しかし、このような経験を積むことで、落ち着きが出て、成長していくものであると思いました。今度またこのような機会があれば、ぜひ参加させて頂いて、一歩一歩でも上達していけばと思います。
 最後に、このようなお茶会を開いて下さった先生方にお礼を申し上げます。本当に
ありがとうございました。

<私立フェリス女学院大学> 国際交流学部  井田 由香里
 4月27日、お茶会のため三渓園へ向かいました。朝のうちは前日の雨が残り肌寒
く感じましたが、次第に晴れ、お茶室から見える外は日差しが眩しく、暖かな陽気を
感じることができました。そのような中、水屋であわただしく最後の確認をしている
と、お客様が入り、とうとうお点前の時間になりました。半東の方と、今までにない
緊張を伴いお客様への挨拶に向かうと、まずはその人数に驚いてしまいました。私は
初回でしたので、当日の中ではおそらく1番少なかったのだとは思いますが、こんな
にも多くの方に見られた中でお点前をするということは初めてで、本当に最後までで
きるだろうかと不安になってしまいました。でも、そのうちにせっかくの機会、思い
切りよくやらなければもったいない、と気持ちを切り替えることにしました。そうは
思ってもやはりすべての緊張は取り除くことはできませんが、それでも自分なりに、
楽しんだ、いつものお点前ができたのではないかと思います。その後は他の方のお点
前を拝見させて頂きつつ、水屋や受付としてお手伝いをさせて頂きました。戸惑って
ばかりの私でしたが、先生方の指示に従ってなんとか1つ1つ仕事をこなすことがで
きたのではないかと思います。また、お茶室の外の廊下には、毎回次の回を待つお客
様が長い列をつくって待っていらっしゃいました。そのようにお客様が楽しみに待っ
てくださるようなお茶会に出席させていただけたことはとても光栄なことですが、他
の方に比べるとまだまだ足りないところも多くあると感じました。今回の経験を生か
し、さらなる成長を目標に、日々のお稽古に励んでいこうと思いました。

<私立フェリス女学院大学> 文学部4年  吉田 祐未
 先生から今回のお茶会の話を伺い、私にお手伝いできることがあればぜひ参加させ
て頂きたいと思いました。源氏物語をモチーフにしたお茶会で、お茶券を作る時に、
私の案を採用して頂き、とても嬉しかったです。源氏物語の中に登場する源氏の君や
女性たちの美しさを、衣の襲の色目で表現しようと考え、一晩かけて家にある資料と
向き合いながら悪戦苦闘してサンプルを作ったのは、今でもよく覚えています。
 他に印象に残っているのは、お茶会で使うお茶碗を作りに行ったことです。初めて
の轆轤にとまどい、最初に完成したお茶碗は丼のように大きくなってしまいました。
何度か挑戦した後、先生にも手伝っていただいて完成したお茶碗は白く柔らかく、ま
だ焼き上げる前でしたがとても美しいと感じました。お茶碗の底には、源氏物語の巻
ごとのお香の合わせ方の記号を描きいれました。竹串で真っすぐに線を引くのは難し
く、皆で笑いながら作業を進めたことはとても楽しかったです。
 お茶会に向けて少しずつ練習を進めて来たころ、予想をしていなかったことが起こ
りました。お茶会と同じ日に就職活動の予定が入ってしまい、参加できないかもしれ
ない状況に陥ってしまったのです。どちらも私には大切なことでしたので、なんとか
時間を調整し、一番最後のお茶席に駆けつけることができました。お茶席に間に合っ
ただけでも十分だと思っていた中で、先生は私に半東を務めさせてくださいました。
 初めて入る白雲邸の中は、木の香りと、障子から差し込む光が印象的でした。たく
さんのお客様の視線の中でとても緊張しましたが、お茶碗のこと、お茶券のこと、私
の学校の事を紹介できてとても感動しました。
 学校の和室の中だけでは味わえなかった体験、出会う事が出来なかった方達に触れ
合うことができて、素晴らしい経験をすることができたと思っています。着物ではな
く就職活動のスーツで来た三渓園は、いつもとは違う景色に見えて、帰る時歩いた砂
砂利の感触は今までにない思い出になりました。


 

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